(ちょっと一息1からの続き)
「あんたの会社の近くのコンビニにいるの!どこまで迎えに行けばいいの!」
そのころぼくは、M君の車に同乗し、会社の近くの某スーパーの近くにいた。
ビビリながら「スーパーの駐車場にいるので、お迎えおねげぇしますだ、伊乃姫様ぁ…」
とぼくはお願いした。
スーパー駐車場で待っていたら、愛する伊乃姫がやってきた。
着いたまではいいが、ぼくが車に乗り込むと、ぼくの襟首をつかみ、ぼくに往復ビンタを5発くらわした。
ぼくに説教をしながら、ハンドルを握り自宅に向かう伊乃姫…
そのとき、またもや携帯が「ブルブルブル…」と震えるではないか。
電話に出ると、一緒に出張に出ていた上司のS氏であった。
「おーい、お前、俺の背広、間違えて着てないか?お前の財布と鍵が入ってた背広が、俺のところにあるぞ。」 ぼくはあわてて着ていた背広を確かめると、「ぼ、ぼくのじゃない…!」
S氏に「S氏の自宅まで、背広を取りにお伺いいたします。」と伝えた。
そういえば、S氏の車で出張に行き、会社に帰って書類を降ろしているときに、車の中で脱いでいた、色もサイズもほぼ同じS氏の背広を自分のだと思い、持ち帰っていたのである。
しかも、その日は寒かったため、車から降りてから、ぼくはその背広を着ていたのであった。
そのことを、超ビビリながら、伊乃姫に話すと、
「このバーカー!!お前の安物1万円スーツと、S様の高いスーツと、どこをどうやったら間違えるのよー!!」
時間は夜の11時過ぎ、こんな夜分に上司の自宅にお邪魔するのに手ぶらというわけにもいかず、近くにあったコンビニに車を停める伊乃。
ぼくに一言「手ぶらでは行けないから、ビールでも買って行きましょう。こら、さっさとビール買ってこい、このボケ!!」
ビールを買い、ほっとしたぼくは、伊乃に代わって運転し、上司の家に向かった。
行く最中、伊乃にさんざん罵声を浴びせられたことは、言うまでもない。
後日談:S氏はぼくと身長はほぼ変わりないが、体型的にはぼくよりスリムで、自分の背広がぼくに着られたことが相当ショックで、落ち込んでいた。それと、伊乃が鬼嫁ということが社内全員に知れ渡ってしまい、背広を間違えたぼくのボケぶりと、伊乃の鬼嫁ぶりは会社で語り草にされている。でも、伊乃は会社で語り草にされていることを知らない。ばれたらぼくの命が…
それより、ホームページに載せたことがばれたら、命だけではすまないかも…
ぼくの残り少ない貴重な頭頂部の髪の毛が全部引っこ抜かれることは間違いない。
お願いだから、伊乃には内緒にしておいてくださいね。
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